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My Foolish Heart

夏の終わり



 映画、「夏の終わり」を観て来ました。瀬戸内寂聴原作の小説の映画化ですが、数年前にこの小説を読もうと探しましたが、その時は絶版になっていました。今回、映画化されるというので早速観に行きました。

   「主人公・知子を演じるのは満島ひかり。妻子ある不遇な作家との長年に及ぶ愛の生活に疲れ果て、年下の男との激しい愛欲にも満たされない、自身の女の業に苦悩する知子という難役を演じている。知子を愛し、優しく見守りながらも妻とも別れられない、寛容さとずるさを併せ持つ年上の男・慎吾を演じるのは小林薫。そして知子を求め嫉妬と孤独に苦しむ年下の男・涼太を演じるのは、今最も注目の俳優、綾野剛。静かな色気と心に深い絶望を抱える慎吾と、どんなに虐げられても一途に相手を求める涼太。そしてふたりの間で揺れながら独自の愛を生きようとする知子の結末とは・・・・・」

   40歳の時に書いた私の小説「夏の終わり」は、自分の作品の中で最も好きなものである。
   これを越す小説を書きたいと思いづづけ、90歳を過ぎてしまった。
   自分の経験を私小説の技法で描いた。  
   ふたりの男の間で揺れ動く、  
   ひとりの女の愛の迷いは半世紀を経ても色褪せない。
   今回映画化は、原作にもっとも近く、
   作者としては生々しさに圧倒され肌に粟を生じて見た。

 と瀬戸内寂聴が語る。

 ヒロイン役の満島ひかり、綾野剛、今一番売れている役者だ。二人の魅力について考えてみた。満島ひかりは今風のかわいい感じのアイドル系の顔ではない。その直向そうな健気さが個性的で演技がうそ臭く感じられないのだろう。また綾野剛も今風のイケメンの顔ではない。何者にも属さない感じが役柄に信憑性を感じさせる。どんな役でも成り得る演技力と透明感を持った役者だと思う。こないだ観た「新しい靴を買わなくちゃ」では、ミポリンよりもフランス語が上手いと思った。あれから急激に売れている今後も期待の役者になるだろう。
 映画の映像はデジタルで撮影されていて、今ではめずらしい。銀残しと言われるカラーの色が抑えられて、陰影が濃く感じられ映像が美しい。
 ドロドロした感じはあまり感じない。ヒロインが藍染という職業をもって自立しているところにあるように思う。
映画を観て、まだ暑い夏の街に出た。夏が終われば私はまた一つ歳をとってしまう。いい歳になったとこの先のことを思うこともある。生きることに疲れたと言ったところで仕方ない。出家するわけにもいかず、人間を続けなければならない。人間というのは煩悩がある。煩悩とは欲望だという。欲望は物欲だけではない、煩悩はいろんな感情、あの人好き、嫌いだとかそういう類もあるのだという。まだまだ煩悩を持ち続けて人生は続くのだろうか・・・・
 夏の終わりを観て、少し清々しく思った。ラストシーンのように、私自身も新しい人生を切り開いて生きていきたいとそう思った。

  
 
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by mizunoawa921 | 2013-09-01 18:02 | 雑記 | Comments(0)
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