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My Foolish Heart

『困ってる人』

 大野更紗著『困ってる人』を読む。ボルダラーのeiki君がお勧めの本ということで読んでみました。
秀才でビルマ難民を研究していた大学院生の女子がある日突然、原因不明の難病を発症。自らが「難民」となってしまう。皮膚病の難病(筋膜炎脂肪炎症候群)とわかるまでの奔走、専門医を自力で探し、病院での闘病、そして、恋愛。
 想像を絶する過酷な状況が、これでもかと著者に波寄せる。しかしその困難を若い著者のユーモアと知性溢れる文章力で描かれ、とても読みやすい。

 私も、大変、「困った」ことがあった。5年前に足の脛骨を鳳来のアプローチで骨折して、速く治ったと思ったが、髄内釘を抜くときに新たな骨折が見つかり、一部ボルトを抜いたが、直後に骨折。それからボルトを継ぎ足し、再骨折部が治りが悪い。何で?という感じで、困った人になった。幸いクライマーのM先生が力になってくれて、今は、またクライミングができるようになった。

 著者は、日本社会の社会保障の貧困さにも言及している。難病者である一人の青年と知り合うまでの自殺が常によぎる著者は、その青年との出会いで生きる欲望が一気に湧いて来る。

 壮絶な闘病生活の中での、絶対的な主治医に対する信頼そして、倦怠・・・・・・病の中での自分本位に成らざる負えない人間らしさなど、著者はありのままの闘病人生を詳らかに描いている。
 eiki君はトップクライマーでヘルニアの手術をし入院時にこの本を読んだのかなと思う。私もまた、再手術そしてその後の長い苦痛と困惑の中を思い出す。今もまだ髄内釘が入ったままで歩くと支障をきたすのだが、この本の言いたいことが、私には少しだけわかるような気がした。
 人は大なり小なり「困った」ことがある。生きている限り悩みのない人はいないと思う。著者が最終章に書いている。
  「なにがあっても。悲観も、楽観もしない。ただ、絶望は、しない。」
人生とはつまりはそういうことなのだと思った。
 難ばかりの今日も。今日も、みんなが、絶賛生存中。
 
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Commented by eiki at 2014-05-06 22:46 x
残念ながら、読んだのは退院してからでしたが、その時は軽いショックを受けました。
病んでた頃の話ってどうしても暗くなりがちなのに、こんなに明るく笑えるなんて!と自分が恥ずかしくなりましたね。
病気になったからって人格まで否定される訳じゃないですもんね。
著者みたいに明るく前を向き続けたいですね。
Commented by mizunoawa921 at 2014-05-07 00:40
eiki君 著者の難病に比べたら・・・・と思ってしまいますよね。でもどんな状況でも悪いことばかりでもないし、「絶望はしない!!」と私も強く思いました。いい本、紹介してくれてありがとう!!

by mizunoawa921 | 2014-05-06 01:48 | 雑記 | Comments(2)
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