小さな異邦人

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 連城三紀彦著『小さな異邦人』を読む。連城三紀彦の再来と言われた米澤穂信著の人気作『満願』を読んだ。しかし、連城のような男女間を描く大人の恋愛が描けない。と批評にあり、連城三紀彦のミステリーを読んでみた。生涯最後の短編集となる。短編のミステリーは、どれも男女間の愛憎を描いている。
 一筋縄ではいかない、最後が見えたと思ったら、結末は予想外の大どんでん返しがある。恋愛とミステリー、全然ちがうようで深く繋がるような気がする。恋愛の始まり絶頂期は、嫌いになるとか考えられないほど愛情が深まる。しかし、それも終焉と共にその恋愛が深いほど、憎しみもまた深くなる。恋愛は憎しみへと変わり得る。狂気、一種の精神疾患とも思われる。 作品には大人の男女が出てくる。大人になるということは悲哀を経験するということだ。人生の悲哀を描く世界は抒情感に満ちている。米澤穂信氏も歳を重ねて、実体験からも大人のミステリーが描けるように思う。
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by mizunoawa921 | 2015-08-26 23:36 | 雑記 | Comments(0)