ピカレスク 太宰治伝

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 深夜の対談番組で又吉直樹と猪瀬直樹が出ていた。太宰の話になり、猪瀬直樹著『ピカレスク』を読んでみた。分厚い本で、これは時間かかると思い持ち歩きの文庫も取り寄せたのに文庫が到着する前に読み終えた。
 ピカレスクとは悪漢・・・『太宰のこれまでのイメージは、人間失格の弱い男で、生きることに耐えられず、つねに死を追い求めていた。だが、僕は死のうとする太宰治ではなく、生きようとする太宰治を描きたかった。』
こんな男のどこがええねん・・・・
「私は無知驕慢の無頼漢、下等狡猾の好色漢、にせ天才の詐欺師、ぜいたく三昧の暮らしをして、金につまると狂言自殺をして田舎の親たちを、おどかす。貞淑な妻を、犬か猫のように虐待して、とうとう之を追い出した。」
 東大の仏文も試験なしで入れたけれど、ついていけず辞めてしまう。働く意欲もなく仕送りして貰うことばかりを考えている。頭もそんなに良くなく、努力もせず、ルックスがいいのか?しかし女を口説き落とすことだけには長けていたようだ。
 「一番いいひととして、ひっそり命がけで生きて下さい。コイシイ。」と愛人に手紙を送り。
 「僕と、命がけで恋愛してみないか?」と女を口説き愛人にした。
 「一番愛しかった。」と死んだ後に妻に手紙を書いている。
 大学の卒業旅行で、青森に行った。太宰の文学散歩とでも言おうか。バブル真っ盛りみんな海外に行ったりしてる中で、私と友達は青森だった。斜陽館にも泊まった。「おさむちゃん・・・おさむちゃん・・・」と言っていた友達は太宰に傾倒していた。この子頭おかしいんちゃうか?と思っていたが、仏文を主席で卒業した。
 対談番組は猪瀬のオフィスで行われ、この1冊を描くたの膨大な資料となる蔵書を紹介していた。悪漢とイメージした理由がわからないが、精妙な筆致で的確に描かれている。ノンフィクション作家らしい、直感的にものを見抜く力、洞見力があるのだろう。あと井伏鱒二の盗作事件についてもかなりの頁を割いている。日本文学の狭隘さに抵抗し、著者自身、「如是我聞」とこの作品を評している。
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by mizunoawa921 | 2017-01-15 00:33 | 雑記 | Comments(0)