2017年 08月 20日
宝島プロジェクト トークショー
ボラーレ・エスカラーダ主催の宝島プロジェクトのトークショーに行ってきました。ゲストは室井喜登男氏、大西良治氏、むらかみちこさん、飛び入り参加のけんじり君。宝島というのは宮城県の金華山のことで東日本大震災で甚大な災害を受けたクライミングの宝庫、金華山を復興支援することが宝島プロジェクト。金華山のみちのくコンペなど昔から関わっている室井氏、大西氏、復興ボランティアに参加しているけんじり君らのスライドでボルダリング、リードの紹介がされていく。NPO法人のむらかみさんから津波で流された民宿は現在なく、神社が宿泊施設となっている。と語られる。チャーター便は3万かかり12人が乗れるみたいだが、いろいろなアクセスの問題がある。しかし、問題がまだまだ山積みだから、この活動をされているわけだ。私は、当たり前と思っている自然のクライミングの場所が一端失われたら、元に戻るまでどれほどの困難があり、それを努力で取り戻さなければならないのかを考えさせられる。
トークショーはとても楽しい。大西氏が開拓した神棚というボルダー。大西氏「棚があるから神棚にしました。」室井氏「神棚登っていいのか?」大西氏「ダメなんですが、得意分野です。」
トークショー後は懇親会。室井氏と大西氏と飲む機会などそうそうない。なのでいろんな質問をしてみました
お二人はされてることは過激でクライマーの中のクライマーなのだが、とても穏やかで優しい方だった。
室井氏について、ロクスノの『アクセス問題とは何か』という特集で室井氏が投稿していた文章がとても良くて、私はロクスノを仲間からかりてたのだこの記事だけコピーして今も保存している。室井氏はマットを使わないスタイルに拘り高グレードも登ってしまう。崇高なクライマーである反面、ストイックで性格は気難しい方なのでは?と印象を受けていた。しかし、この記事を読み。物事を多面的に捉え人間的に柔軟性のある方なのではないか・・・それでいて物事の本質を突いている。
「クライミングは、長い歴史をもちつつ、常に新たな困難への挑戦を続けてきた。岩という同じフィールドを使って、さまざまなスタイルを生み出し、それを共有し、継承することでひとつの文化を形成してきた。スポーツであると同時に、多種多様な試みが許される冒険でもある。それが許されるのは、さまざまな制約から解放され、個人の価値観が尊重される自由があるからだ。そしてそれは本来、異なる価値観を互いに尊重し、共存するために調整を図るという、この社会の礎でもある。」と最後を締めくくっている。
私が沢登を最近始めたのは、けんじり君とFBで出会ったことがきっかけだ。沢登に惹かれるのは、私がしてるスポートとは真逆のクライミングだからだ。沢登の未知への探究とは反対に私が通う岩場は反復練習を行い限界への挑戦をしている。レベルの低い私のクライミングとは異なり、常連たちは日々ジムトレに励み限界を押し上げようと努力している。大西氏に岩のスポートは興味ないですか?と問うとそんなことはない。そこから始めたしルートクライマーであり時間があれば、やってみたいと仰っていた。
話がそれてしまっているが、長年クライミングをかじっていると、いろんな迷走が起こって来る。クライマーであるならばが室井氏のいう「クライミングの舞台である岩場を守らなければならない。しかし、その舞台は、そこで演じられるクライミングがあってこそ、舞台になり得る。」岩場の存続からクライミングとは・・・と思考は及びました。
クライミングを通じて素敵な人たちの交流があることも幸せだと思った。そんな交流を与えて下さったボラーレの主催者河野夫妻に感謝します。クライミングジムが沢山できているけれど、こんなイベントを行えるのは河野夫妻の今までの経験と人脈の深さがあるからだと思う。
by mizunoawa921
| 2017-08-20 21:14
| 雑記