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My Foolish Heart

カテゴリ:雑記( 147 )

旅人の表現術

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 今日、ジムに行ったら『外道クライマー』面白いね~。と話しかけてくれた常連さんがいた。その解説を書いてる角幡唯介氏の書いた『旅人の表現術』を今読んでる最中である。本書は角幡氏と著名作家人との対談によって、冒険とは探検とは生きるとは・・・・考察している。雑誌に投稿した著者の評論もあり、読みやすくて面白い。
開高健の小説にも触れている。戦争小説、壮絶な内容であり、仕事が終わり日常の疲れに埋没しており、少し、余裕ができたら、読んでみたいと思う。対談の作家は沢木耕太郎、石川直樹、三浦しおん、鈴木涼美など他・・・
本書を読んで、そこから本書に出てくる本を読みたくなる解説書にもなっている。
 大学時代の私のバイブルで村上龍と坂本龍一の対談集『EV.Cafe』がある。そこからバブル全盛期のポストモダリズムに感化されて、浅野彰の『逃走論』やらを読んだ記憶がある。人物の素をわかってからのその著書を読むというのも昔からしていたことのように思う。
 私のバイブル『氷壁』と『神々の山嶺』を比較して、「ここにおれがいるから」普遍的山岳小説の視点、はなるほどな・・・と思った。
 来週末、沢登りに行く。先日、ジム行って翌日ボーリング大会に出ただけで、再骨折した左足のふくらはぎがこぶらがえりになってしまった。整骨院に通いながら来週末に挑む。足の調子も良くないが、なぜ沢登なのか?と本書を読みながら、真相心理がわかったように思う。最近見つけた、私の小宇宙である谷の中。未知との遭遇と深い自然に身を置く・・・・まるで個人的な冒険をしているように思うからだと思う。沢登りはメジャーになって欲しくないとそう思う。得も知れぬ快感は変態沢ヤたちのエクスタシーであって欲しい。
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by mizunoawa921 | 2016-07-10 21:35 | 雑記 | Comments(0)

第46回千早day 冒険野郎報告会!

 
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 第46回千早day 冒険野郎報告会に参加してきました。FBで知り合いになった、けんじり君と作年の春にこの千早day 冒険野郎報告会で初めて会った。あれから1年、短いようでいろんなできごとがあった。けんじり君は黒部横断を成し遂げ、最近、結婚した。私は、けんじり君との出会いからクラックと沢登りを少し齧った。そして沢山の出会いがあった。
 けんじり君こと小阪健一郎君の報告は、昨年の秋に成し遂げた黒部横断沢登の報告。写真をアップして丁寧に説明してくれた。そして辺境クライミング。人とちょっと違ったことをやりたいと思えば、お金をかけずに、探せば身近に課題はある。辺境クライミングの場所の探し方などを教えてくれた。
 倉内健治君。ヒマラヤ、北極圏を中心に旅を続ける自転車旅行者。これまでに世界16カ国を自転車で走行。チベットの自転車旅行記。雨季で走行不可能になり泣きたくなるほどの出来事や、またチベット人との深い交流。生きていくことの真摯さを教えてくれた若い女の子に恋した話。最近、アウトドアメーカー就職し、今までの経験をもとに仕事で社会貢献ができればと語っていた。
 大島義史君。サラリーマンで妻子のいる大島君が極地へいく冒険記を語る。高額の借金をしての南極行きだが、今の南極はメジャーになり過ぎて、拍子向けするほど気軽に行けたという。大島君は、謙虚に冒険について語る。困難さは最近、慣れない沢に単独で行った時の方が遥かに命がけで冒険度が高かったという。南極行きへの意義を問う。南極に行きたかった。恋に堕ちるように南極の美しさに惹かれた。そこに意味などなく、南極に憧れたのだという。私は、自分のクライミングと重ね合わせて、胸が痛くなった。
 報告会の後の飲み会で、ネパールを単独で行って、そこで、この報告会の主催者のかおりさんと出会ったという女性がヒマラヤの美しさを語ってくれた。アンナプルナは美しく、いつかエベレストを観に行きたいそうだ。目標や憧れをもって生きている人たちは、人生が楽しくキラキラしていた。そんな人達に会えた週末だった。
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by mizunoawa921 | 2016-07-03 21:01 | 雑記 | Comments(0)

海外遡行会

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 海外遡行会に参加させて頂いた。沢ヤさんたちの海外遡行の同人の会合と遡行の発表会。会員でもなかったが、知り合いのお蔭で参加させて頂くことができた。80人も奈良県のふるさと村に全国から集まった。 発表会で講演される宮城公博氏に最近出版された『外道クライマー』にサイン貰おうと持参したが、体調不良で欠席された。来られなかったんかい!! 
 発表会、成瀬陽一氏、タヒチの遡行。屋久島よりちょっと大きい規模の火山島。そこのジャデムというティアラに似た岩峰にある沢を登る。美しい海に背を向けて、強固なシダのラッセル、蚊の大群に見舞われながら遡行する。火山島は非常に脆く、頂上にまでは行けなかったが、また再トライされるそうだ。地図の入手方法、遡行図を書く文化の大切さを語られた。
 次に、けんじり君こと小阪健一郎君。昨年10月池ノ谷~剣沢~棒小屋。黒部横断の発表。剣沢I滝、けんじり君は日本で一番美しいと思う剣沢D滝の写真を観せて貰う。大滝遡行で核心は済んだと思ったが、そこからが本当の核心だったという。13ピッチにも及ぶ懸垂池ノ谷の下降。 そして、けんじり君と言えば辺境クライミング。離島の記録を発表。
 次に田中 彰氏の台湾マリシャン渓谷のキャニオニングの発表。仲間は沢登の達人大西良治氏と台湾の沢ヤのホープジャスミンさん他外国人で結成されたお仲間で行われた。キャニオニングは日本人にはメジャーではないが、写真や動画を観ると、その技術力と困難さ、そして面白さに、みんな圧倒された。 そして、小原比呂志氏のニュージーランドにおけるフェルトソールの汚染、感染症問題。
 夜は大宴会夜中まで続いた。沢ヤ界の錚々たるメンバー、『剱沢幻視行』の著者で剣沢の初登者の和田城志氏も来られて、少しお話した012.gif FBだけの友達だった沢ヤさんとお会いすることもできた。けんじり君のパートナーのO部君。謙遜して自分の生き方を言うのだが、山に行く為に、正社員にはならず、立派に自活して生活している。雑誌の印象とは違う、めっちゃ爽やかなイケメンの青年だった。他にもRさん、みんな山をやりたい為に、クライミング技術を磨き、まっしぐらに生きていると思った。夜中まで大宴会だったが、朝には沢に向かう遡行会の方たちだった。私は、宴会だけ参加し、帰宅組。帰りは、K山岳会の方たちと楽しく帰った。そしてジムに寄って帰った。岩のオフシーズン、ぼちぼち自分の沢行きを頑張りたい。クライミングにもいろんな世界がある、どの人も好きなことをしてる人達は輝いている。私もそのオーラの輝きを少し頂いて、自分らしく登って行きたいと思った。
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by mizunoawa921 | 2016-06-26 19:33 | 雑記 | Comments(0)

探検家の日々本本

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 「読書は読み手に取り返しのつかない衝撃を与えることがあり、その衝撃が生き方という船舳の先をわずかにずらし、人生に想定もしてなかった新しい展開と方向性をもたらすのだ。」
毎日出版文化賞書評賞を受賞した書評を通じた探検家のエッセイ。
 私がクライミングを始めたのは、穂高を舞台にした小説を読んだからだった。最近のクライマーにクライミング始めたきっかけ何なん?と聞くと、テレビの情熱大陸で、平山ユージや小山田大を観たから、とかミッションインポシブルの映画を観たとか、偶々クライミングジムに来たからとかだった。小説の題名を言っても知らんと言われるし、小説読んでとか、もう時代遅れみたいな気がした。
 冒険家である植村直己を嫌いな日本人はいない。ノンフィクション作品を昔、山岳会の先輩に何冊も借りて読んだけど、私には何も印象に残らなかった。植村直己物語の映画で奥さん役の倍賞千恵子が会見した時に、私は号泣した記憶しかない。著者の作品や書評は面白い。あるエッセーでは、アウトーー!!と思えるほどにユーモアがある。それは本音と恥部を惜しげもなく書いているからだと思う。探検家の情熱と共に、現代の青年のよう逡巡し客観的に、自己を見つめる感性がある。
 「読書には人生の予定調和をぶち壊す毒薬のような破壊力があり、それこそが私が考える読書という営為の最大の美点なのだ。マラリアに感染していない人生より、マラリアに感染している人生のほうが面白いに決まっているだろう。」面白いか・・・・私の人生も、面白いということにしておこう。
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by mizunoawa921 | 2016-05-14 00:21 | 雑記 | Comments(0)

外道クライマー

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 私は那智の登攀事件が怖かった。軽犯罪法を犯してまで滝を登る彼らが怖かったのではない。事件後、皆がバッシングをしたまるで極悪非道なことをしたかのように・・・クライマーまでも、彼らを擁護したのは、私の周りでは私と私の先輩と友達のアルパインクライマーだけだったように思う。ツイッターやFB、ブログなどあらゆるところでバッシングしたそんな世間が怖かった。
 本書は、タイのジャングルでの沢登、台湾のチャーカンシー、称名廊下の遡行、冬期称名の滝、冬期ハンノキ滝登攀などの偉業の様子が鬼気迫る文章力で描かれている。そこには欺瞞も虚構もなく真正のクライマーの姿がある。著者の文才とユーモラスを交えた文章力で読者はクライミングのリアリティの中へ惹きこまれていく。開高健ノンフィクション賞の選評には「なぜそんな危ないことにチャレンジするのか、その根っこにあるモチーフが伝わらない」と評されていたが、それは永遠のテーマであり、そこを物語にし、解説する小説とは違い、本書をクライマーが読めばその理由がわかり得る。角幡氏のあとがきにある「登山の反社会性」について解かりやすく解説されている。
 那智の滝事件で、昔、西の方の岩場の開拓者が言っていた言葉を思い出した。冒険とは無縁のスポートでさえ、「岩場は道路や民家の近くに開拓すべきではない。クライミングは山奥でするべきだ。」公のモノではなく後ろめたいものだと言っていた言葉を思いだした。
 著者のように自己表現欲求と反骨精神のある若者が、未来のクライマーにも現れるように私は密かに願っている。それが私が思い描くクライマーの象徴だからだと思う。本書の最後の一文に私は感動して読み終えた。
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by mizunoawa921 | 2016-04-01 23:29 | 雑記 | Comments(0)

千日の瑠璃

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 クラックス大阪で倉上慶太さんのスライドショーがあったので行って来ました。100人を超えるクライマーが参加しました。瑞牆のボルダー要素の強い困難なルートを超ランナウト(10メートル、20メートル)でしかもトラッドで登るスタイルで初登された千日の瑠璃というルートを主に講演された。
 開拓の様子やランナウトで高グレードに挑む激しすぎる冒険の様子など、実際に使ったカムなどを観せてくれながらの楽しい講演だった。影響を受けたのは、黒本の製作者の室井トキオ氏。倉上君も黒本の課題は全課題を登っているという005.gif005.gif ノーマットスタイルが主体だが、下地の悪いボルダーエリアはではケースバイケースだという。
 フリークライマーらしく華奢で朴訥として謙虚なイメージから、その情熱はどこから湧いてくるのかと思ってしまう。トークショーの後の親睦会でスポートの仲間が段が出てきて13、しかもトラッドでは在り得ずもっと高グレードになるはずだ、との問いにプロテクションを設置する作業はそう難しくなくあと難しさはボルダーの箇所のみ、そして他の瑞牆のグレーディングに相当していると丁寧に教えてくれた。私のワークはどのようにして・・・・との質問にも答えてくれた。
 今日は知り合いのクライマーに会えた。みんな其々にクライミングに情熱を捧げている人たちばかりだ。完登して泣いたことがあるのは、この千日の瑠璃だけだったという。泣いたことが・・・・私にもある。このトークショーを聞いてみんな何か自分のクライミングに反映しようと思う人があると思う。倉上君のノーマットスタイル、クライミングの拘りや倫理感、スタイルとは程遠い私は、何一つ真似ることはできない。岩をクライミングという文化財に変化させてくれた開拓者への感謝を共有するくらいだ。ただ、私はまた泣けるくらいのクライミングをした頃の情熱を思い出した。
 
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by mizunoawa921 | 2016-02-21 02:17 | 雑記 | Comments(0)

いつかこの山を思い出してきっと泣いてしまう

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 昨晩は、高名な沢ヤさんとの飲み会でした。けんじり君繋がりでFBで知り合いになったK下さんが出張で大阪にいらっしゃたので、京都の出町柳でけんじり君の行きつけのお店に案内して貰いました。
 1次回012.gif、2次回003.gif、3次回037.gif・・・・・・
 K下さんはエリートで仕事は非常に忙しいのに、山への情熱が強い。初登や難しい沢の遡行が全てではないが、そうされてきた人はやっぱりそれなりの山への思い入れがあるのだと思う。
 黒部のI滝やD滝、称名の滝、台湾など他にもいろいろ、誰もが行けない迫力のある沢と美しい山の風景の写真を観ながら、ここはどうのこうのとけんじり君と語り合う。K下さんは以前にけんじり君が昨年成し遂げた黒部横断を挑まれたが、パートナーの事故で中断になった。
 山へ挑む時の意気込みと精神的な苦痛を語りながら、K下さんは今年の山行きを話されていた。
 けんじり君は、やりたいことは、いかに興ずるか!!だと言う。
 私のクライミング・・・・宿題の課題、トラッド、マルチピッチ、沢や山、やりたいことは山ほどあるが、私のできることは限られている。・・・・・しかし、いかに興ずるか、そうありたいと思った。
 山は憧れで、山を登る人は、今も尚、憧れの存在だ。 
明日への手紙 手嶌葵♪ 
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by mizunoawa921 | 2016-02-18 14:09 | 雑記 | Comments(0)

国立文楽劇場

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 今日は文楽鑑賞に、けんじり君と国立文楽劇場に行ってきました。私は、社会人になってすぐに一度観たことがあり、けんじり君は高校生の頃に一度ある。最近、文楽に造詣の深い方がお勧めしていた
有吉佐和子著『一の糸』  を読み、文楽の三味線弾きの三味線を聴いてみたいと思った016.gif
 チケットはほぼ完売で人気があった。4時間という長丁場。3幕の題目がある。でも全然飽きなかった。

「新版歌祭文」“お染久松もの”の傑作。
「関取千両幟」三味線の曲弾きが圧巻。
「釣女」コミカルな人気曲。

 けんじり君がイヤホンいる!というので借りたが正解だった。解説のナレーションがあり、理解できた001.gif

 昨年、けんじり君は黒部横断継続沢登やいろんな辺境クライミングをした。愛してやまない沢登だが、またなぜ古典芸能の文楽を好むのか・・・・沢登は肉体と精神を駆使した激しさが魅力ならば、文楽は人間の業、感情、情念、因果といった人間の性の激しさを表現している。

 今回は豊竹嶋大夫引退公園も兼ねていた。「振り返ってみても、浄瑠璃を語るのは辛いことばかりでした。それでも浄瑠璃を語ることは大好きでした。心底好きだったのだと思います。文楽は大阪で生まれ、大阪で育った伝統芸能です。これまでの歴史を見ても、波があるけれども、日本人に一番向いている芸能が義太夫節であり文楽だと、私は自負しているんです。そういう芸能を生んだ土地ですので、これからも文楽をずっと応援していただけるとうれしいと思ってます。」
 私も、けんじり君も大阪生まれの大阪育ち、大阪の伝統芸能を堪能し、心にビタミンを得た一日だった。 
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by mizunoawa921 | 2016-01-17 17:59 | 雑記 | Comments(0)

和田城志著『剣沢幻思視行~山恋の記』

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 人生を導くことになる憧れ、拘り続け探究しようとするものが人には多少なりともあると思う。それが命がけで取り組まないとならないものであるのが、アルピニストなのである。
 本書は、著者を魅了し続けた剣沢大滝登山史として読むことができる。1962年鵬翔山岳会により途中登られ、京大山岳部が大滝完登となったが、剣沢を遡行したわけでなく、著者が1976年に十字峡より分水嶺の別山乗越まで初遡行する。そして1970年にはついに積雪期の剣沢大滝を登る。その後、ヒマラヤに目標を置き、ランタン・リルン、カンチェンジュンガ縦走、マッシャーブルムとブロード・ピーク、ナンガ・パルバットへの3度の挑戦。
ナンガ・パルバットの困難さを説明している。「黒部もナンガ・パルバットも登山の恐怖(もしくは魅力?)を雪崩に代表させているということだ。・・・・どの面から登っても、雪崩のリスクが非常に大きいものばかりだ。」 
 また本書は探検とは何か、アルピニズムとは何か、を多くの体験を通して、克明に語られている。
「かつて、社会人山岳会の過激なクライマーたちが言ったように、「冬の屏風岩を登れないような奴にヒマラヤはおこがましい」はまったく正しい意見だ。しかし当時の私は、そういう登山界の流れを理解しつつも、その歴然とした力量の差の前に、未踏峰の値札ばかりが色褪せてぶら下がっている山々を物色していた。」未踏峰のみに登山の価値があると思っていた当時のことを悔やみ、「一度ナンガ・パルバットで足慣らしをして、崑崙の未踏峰をソロクライムするような登り方がスマートだ。」と真のパイオニアワークについて述べている。
 私が面白いと思ったのは、クライマーと沢屋との違いについて著者が説明していることだった。
「幻の大滝は未だ完全な姿を見せていない、と考える人々がいる。沢屋だ。登山道や岩壁の既成ルートは、できてしまえば変化な少ないし、後続する登山者には初登攀者と同じ感動はありえない。沢登りは違うと考えた。沢は流転する水の流れに、ひとときもとどまらず、常に同じものはない。山頂が盤石な岩の造形であるなら、渓谷は変幻自在な動態そのものである。・・・・・・沢屋は未知を、クライマーは困難を重視しながら対象を分析する。沢屋は動態の中に未知が内在すると考え、クライマーは造形の中に無限の困難が創作できると考える。」とあり、大滝を目指す者の心の奥の気持ちを考察している。
 その後、事故により膝に障害を抱える身になりながらも、黒部別山トサカ尾根より八ツ峰Ⅴ峰菱ノ稜を登り、登山を退くまで果敢に剱岳に拘った。
 「激しいアルピニズム渇望は静かに山旅放浪に変わりつつあるのかもしれない。しかし、これも新たな思い出作りの始まりだと言える。思い出に酔う時間はもう少ないけれど、出会い、恋し愛して、狂う世界が、どこかで私を待っているような気がしている。」
 ガストン・レビュファの「ぼくは思い出より憧れが好きだ」のごとく、著者はいつまでも情熱の人なのだと思う。
読み終えて、感動を覚えるのは、アルピニズムの奥深い内容と共に、山は私の人生そのものだ、と語る想いが胸に響いてくるからだ。私は気が付けば山に始まり、クライミング擬きをしてもう長い年月が経とうとしている。著者のようにいつまでも情熱の絶えない人でいたいと思った。

 
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by mizunoawa921 | 2015-12-30 12:11 | 雑記 | Comments(0)

冒険塾

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 モンベル本社で行われた冒険塾の講演に行ってきた。内容は、とても深かった。
 モンベル創業者の辰野勇氏の山を始めるきっかけから創業に至るまでの経歴。アイガー北壁の日本人初登頂、黒部川のカヌー初滑降。話は解かりやすく面白く、人はなぜ冒険をするのか?
仲間の死から、生きることは死を意識することだと。著書の『モンベル7つの決断』を読みたいと思った。

 関野吉晴氏の「グレードジャーニー」地球を歩いてあらゆる人種に会った、民俗学。

 伊勢崎賢治氏の「平和はつくれるのか」国連PKOに参加し、内戦終結のためにシエラレオネへ。9.11タリバン政権崩壊後、内戦化したアフガニスタンで武装解除に成功した話。革命について語られる。
 
 そして、宮城公博氏の「海外遡行、ゴルジュとジャングル」 PCのデータが上手く繋がらず、冒険論に重きを置いて語られた。黒部の称名の廊下の遡行がどれだけ、難しく冒険としての価値があるかを説明されて、解かりやすかった。本物の冒険家とそうでない人、初登の重要性と敬意など。クライミングを長くやってきた者にはスタイルや内容、価値あることは・・・?と己の登攀について改めて認識させられる。
 冒険、命がけのリスクを負っても挑む行為、それは博打ではない。辰野氏は語る51%の可能性と49%のリスク。人間社会の未来を切り開く行為なのだと。

 この冒険論を拝聴して、みんなは何を思うのか・・・・自分に問いかけざるを得ない。私は、昔登山をやっていた。運動能力がないまま小説の主人公に憧れ、山岳会に入った。即、激しいアルパイや継続登攀に連れて行ってもらったが、凍傷などで山はやめた。フリークライミングに転向して、アプローチで骨折、再骨折とまだ足に髄内釘が入っていて、ハードには歩けない。百万回トライで12Cを登り、今も限界のルートに挑戦している。ある沢ヤの青年と親しくなり、沢登りやトラッドクライミングも今年始めた。沢登は危険だと思い怪我してから最も避けてきたが、やってみたら凄く楽しかった。沢登は登山のあらゆる要素が詰まっている。自然の奥深い美しさの中で、誰にも会わず、下山では迷い、ヒルまみれになりながらも帰れた時は充実感があった。私は昔感じていた山を登る人への憧れを思い出した。クラックはできないことができていく喜びを感じた。
 自分のクライミングを見つめ直す、それはある程度、スポートというフリークライミングに没頭して頭打ちになっているからと、自分の年齢も考える。冒険とは真逆、何ら価値のない自分のクライミング。しかし、誰でもできる私が登ってきた12Cの完登だが、凡人が完登するには、それなりの苦労がある。それはやった者にはわかるはずだ。仲間は、センスのあるクライマーだが、13Dになり、膝も損傷し相当神経もすり減らしいる。これは価値があることなのか??と一喜一憂しながらも自分のスポートでの限界グレードにトライしている。ストレスを抱えながら、シーズンに通う岩場には、私ににとって、唯一、自己実現できるルートがそこにあるからだと思う。この先どうするのか?決して若くはない自分に問いかける。私の課題が登れたら、どうするん?とよく聞かれる。完登はかなり難しい・・・10才若かったら、わらじの会に入会してるか?w
 今日は女性クライマーと会って、来年は女性だけで沢登に行こうという話になった。

 辰野氏は、夢は思い続けていなければいけないと。チャンスは必ずやってくる、その時思い続けてなければ掴めない。失敗したらそれは不都合でしかない。夢を叶えるプロセスが人生では大事だと・・・・
 冒険家たちに出会えた今年、楽しくもあり、クライミングについて考えることも多かった。未知への挑戦をこれからもしていくのだと、自分の未来を励ました。
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by mizunoawa921 | 2015-11-14 19:03 | 雑記 | Comments(0)
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